1月末深夜、
USA、カリフォルニア州のVacavilleという地域にあるドライフルーツのサプライヤーとの打ち合わせに向かう為、シンガポールチャンギ空港T3にいた。
サプライヤーへの手土産を買い搭乗時間となり機内へ。だいだい、いつも最後に乗り込むのがルーティーン。
シンガポールからロス便の機材はシンガポール航空が保有する最新機材、
エアバス350‐900LR、世界一の航続距離を誇る機材。
この機材は、プレミアムエコノミーとビジネスクラスのみの設定で最大乗客数は160人ほど。
シンガポールからロサンゼルスまでは片道16時間。長いがプレミアムエコノミーということもあり、快適に過ごせそうだった。
時差ボケ回避の為、機内ではほとんど睡眠をとらず、事前に作成していた資料の修正、映画を4、5本観ているうちにあっという間に到着。
時刻は21時前。翌朝7時台の便でサプライヤーのあるサクラメントへのフライトを控えていたが、このままいけば、十分に睡眠もとれそうだった。
しかし、着陸後、しばらくしても一向にゲートへ移動しない。アナウンスによると、どうやら、空港が混雑しており、ゲートがいっぱいで移動できないとのこと。
シュッチョーWifiのWifi端末があり電源を入れると即座に繋がりメールを開くと、
日本本社のメンバーやシンガポールチームのメンバーからいくつかメールがあり待ち時間に対応ができた。
1時間半ほど待機し、ようやく、ゲートへ。
いつもより、幾分疲れの表情がみられるCAにbyeと笑顔で挨拶をして飛行機を下り、
イミグレに進むも、またまた大混雑。結局空港近くのエアポートホテルに到着したのは深夜2時前だった。
2時間ほど睡眠をとり、5時台に再び空港へ。
今回の目的地、サクラメントへのフライトは1時間ほどで到着し、そこから車で1時間ほどでVacavilleに到着。
車を走らせていると、ブドウ畑やプルーン畑がみえ非常にのどかな場所だ。
のどかと言う表現はただただ正しいとは思うものの、見える景色はほぼ畑のみ。。。
まずは、農園に向かい、レーズンの原料となるブドウ畑へ。
100ヘクタールを超える広大な土地にブドウ、アーモンド、プルーンといった多種多様な食物が栽培されており、改めてシンガポールの小ささとアメリカの広大さを実感。
その後、サプライヤーの本社へ行き、
アジアでの現況、今後の販売拡大計画&戦略について説明を行い、価格や商品ラインナップについてディスカッション。サプライヤーも販売拡大戦略には非常に好意的で、翌期の大幅な販売拡大に伴う価格部分の交渉についても前向きに検討をしてくれることになり、次はシンガポールで会おうと握手をして終了。
朝からの長丁場のミーティングを終えたのは夕方。
サプライヤーの面々に見送られ、やっと一息。
プロジェクトを共にするシンガポールのメンバーへメールをいれ朝購入したスタバの瓶のラテにてロスの先輩社員と一回目の祝杯。
サプライヤーのオフィスを出て少し車を走らせたもの、あたりは引き続き、畑と倉庫。
朝の往路は、このサプライヤーは初訪問ということもあり、いくばくか高揚感もあり視界に入るものを正確に認識できていなかったようだった。
帰路は、30時間かけ到着し、成果に繋がる打ち合わせを終えた、緊張感と高揚感から解き放たれ、
この出張では最初で最後の晩餐を、胃袋だけでなく脳も欲しているようだった。
しかし、走ってきて路も、そして、視界に入るその先も、畑、畑。見渡す限り、それ以外に何もないのだ。
同行してくれた現地先輩社員が、もう少し車を走らせたところに小さな町があり、そこで夕食をとることに。10分走っても辺りの風景は変わることなく畑と畑、お互いのビジネスの状況などを話していると町が見えてきた。
家や飲食店が数軒あるだけかな、と思っていた想像を裏切り、町に入ると、一つの通りだけで飲食店やバーも20件以上あり、スーパー、薬局、コンビニ、その外周を家々が囲んでいるような町のようだ。
車を止め辺りをふらふらしていると、どうやら、町の中心だと思われるところに公園があった。
そこには、多数のクラシックカーが並んでいた。今日、明日は、公園でイベントがありクラシックカーが華を添えているようだった。
町を一巡し(夕暮れから日が沈むまでに一周できる町でした)、先輩のオススメの町で一番美味しいステーキハウスへ。
さすがアメリカ、ステーキの標準サイズは300g、定番のメニューと赤ワインをオーダー、店員さんもフランクでオイスターも美味しいということで追加オーダー。
料理は総て美味しく、さすが町一番のステーキハウス!!
とても美味しく普段は少食でも完食。
一通り総てのプレートを食べ終えワインを飲みながらUS駐在3年目の先輩と仕事のことだけでなくキャリアのことなどを話していると、一人陽気なアメリカ人が声をかけてきた。
打ち合わせにはいなかったが、サプライヤーの会社の御曹司だった。
いま、東南アジアで取り組んでいる案件を2.3つ紹介、また是非遊びに来て、今夜はバカビルの夜を楽しんで、と言葉を残し去っていった。
異国の地の異国の町での楽しいひとときもあっという間にすぎ、
お会計のために店員さんに声をかけると、既に会計済み、とのこと。
店員さんによると、先ほどの御曹司が、我々のテーブルのお会計も一緒に済ませていった、とのこと。
その場で、SNSで御礼の連絡を入れると、
「このVacavilleには、妖精がいて、ゲストに気持ちよく楽しい時間を過ごしてもらうために、彼女が現れ会計を済ませてしまうのさ!でも、町が小さすぎて妖精がすぐばれてしまうのが、この町の欠点だなHAHA」とアメリカンジョークと一緒に返信が返ってきた。
今度来たときは妖精にも会えるように東南アジアでもっと商売を拡大するから、妖精の彼女によろしく伝えてね、と返信をしておいた。
お店を出ると、22時前、先ほどのクラシックカーのイベントも終わっており、あれだけ盛り上がっていたパブやレストランもほとんど人がいなくなっていた。
このVacaville、Sacramentoでは農業が主要な産業の為、人々の朝は早いため、夜は早めに切り上げるようだ。
翌日はお昼の便でロスへ戻り、アメリカ子会社での打ち合わせをし、ロス市内のマーケット調査で最終日もあという間に終了。
シンガポールから16時間、ロスを経由しもうひとフライト、そして車で移動、
東南アジアでよく出張をする国、ベトナム、タイへの移動はあっというまで日本人にとっては日本での国内移動をしているような感覚。今回のような長距離移動の出張は初めてだったため疲れは残るものの、また新しい妖精に出会うべく新たな地を目指して。